クローバー

家へ帰った時に、2才くらいの女の子とお腹を大きくした奥さんといた。奥さんにも多恵子が元カノで、ひどいことした過去を話したみたいで、見かけたら挨拶されるよ。」
「…不安じゃないんですか?元カレですよ。」
「多恵子はもう完全にふっ切ってるよ。わだかまり残したままじゃいけないだろ?せっかくの幼なじみなのにもったいない。そろそろ行こうか。居間にみんないるし。」
「はい。」


居間、子供達がじゃれている。茉菜は茉衣の膝の上で眠っている。

「おかえりなさい。」

優しい茉衣。多恵子は、

「何かいろいろ話したみたいね。私も楽しんでるからいいや。あなた。子供達も仲良くじゃれあってるし。」

茉莉に甘えっぱなしのハルカに、茉莉になついている政治の子供達。遥紀は、

「茉莉はみんなを虜にさせるのが上手いなぁ。」

茉衣は、

「茉莉はみんなのお姉さんよ。」

微笑む。
遥紀は、

「茉菜抱くよ。」
「茉菜眠ってるし…。」

茉衣が言うと、

「だって誰か抱いてると安心するんだ。ハルカは今、茉莉から離れると怒るし。」
「ふふふ、ハルカは茉莉がいればいいもんね。遥紀に甘えたい時に甘えるわ。」
「…もう一人欲しい…。」
「3年連続はやめなさい。負担が大きいわ。毎年悪阻でげーげーしてたらノイローゼになるわ。実家に帰省すると、また?って言われるし。」
「…。」

茉衣は、

「大丈夫よ。ハルカはパパの事好きよ。ただ、男の子だから女の子好きなのは仕方ないわ。」
「…。」
「ほらほら、パパ、茉菜がぴくぴく動いてるよ。」

茉菜は動いてる。起きそうだ。

ぱっちり、

起きる。泣く。

「よしよし、」

遥紀はあやす。茉菜は泣き止み、手をぱたぱた動かし、何かを表現してるようだ。茉衣は、

「パパ、遊ぼ?ってさ。」

遥紀は茉菜の小さな手を優しく繋いで、

「遊ぼっか?」

と言い、じゃれる。

「茉菜ちゃ〜ん。」

茉菜は笑う。多恵子と政治は、

「かわいい…。」

言う。茉衣は、

「子供達は、パパがいないとダメなんだよ。」

言う。


「またいらっしゃい。」

多恵子と政治は言う。

「今日はありがとうございます。」

茉衣と遥紀は言