クローバー

ん。女性ホルモンびんびん。あ、ネックレス、彼氏からもらったんだ。」
「…。」
「Sって彼氏のイニシャル?」
「…。」

政治はそんな多恵子を見かねて、

「こら、何してる!もうチャイム鳴るぞ!」
「は〜い、あ、末松っち、紀平先生に彼氏出来たんだって。」
「…。」
「いてもおかしくないだろ。先生もお年頃だ。恋をしてもおかしくない。」
「末松っち悔しくないの?紀平先生に彼氏がいるんだよ。」
「それがどうした?」
「折角かわいいのに。だって末松っちもいいお年頃じゃん。狙えばよかったのに。今は彼女のいない私だって好きな人くらいはいます。」
「だぁれ?」
「純粋でかわいいですよ。」
「告ればいいじゃん。」
「告白か…。さあ、教室に入りなさい!」
「はぁい。」

生徒が教室に入ると政治は多恵子に目で合図をする。多恵子も優しい笑みをこぼす。
次の休み時間、教室では、

「ねぇねぇ、紀平先生、彼氏いるらしいよ。」

茉衣と遥紀。遥紀は、

「確かに、何か色気あるよね。先週までとは違う何か…きれいになったというか。」

茉衣は、

「遥紀?」

尋ねると、

「茉衣はいつでもかわいいよ。」

茉衣は顔を赤らめる。友人らは、

「ラブラブだなぁ。」

ちやほや。

うるっ…。

茉衣は恥ずかしくて涙。

「ごめんごめん!?」

友人らは、

(な…泣かした。)

茉衣は、

「ごめんなさい、恥ずかしくて。」
「で、次は英語だろ?紀平先生だし。」


授業後、

「本当、色気出たぞ。やはり男。女は男を好きになるとキレイになるというし。それに寝たらまたキレイになる。ところで遥紀はサナと寝たの?」

(茉衣は女友達と歓談中)

「ね、寝る!?…そんなのまだ早い!」
「まだなんだ。カレカノなのにねぇ。いったらもらえるかもしれないよ。サナの処女。」
「子供が出来たらどうするんだ。生ませる!それに、コンドーム☆」
「ま…まだ早い。負うのは茉衣なんだぞ。そんなの気にしない。」
「…できない。」


政治と多恵子達は雑談中。

「…はぁ、生徒達は手強いです。」

政治は、

「軽く受け流しておけばいいんです。生徒達はゴシップ好きです。ゴシップを握っ