クローバー

いよ。大学生の時、彼女いたし。卒業と同時期に価値観の違いで別れた。抱き合った後に教師になって地元に戻ると言ったら怒り出してね、それから着信拒否でさ。困ったものだよ。同窓会で見たけど、すぐに彼氏作って、お腹に命がいた。お互い過去を知った上で付き合うのはいいかも。余計大切にしたくなった。」

きゅっ。
多恵子を抱き寄せる政治。

「いつか結婚したいね。子供と暮らして、家庭を持つ。」
「…はい。」
「今はもっと多恵子を知りたい。知ってからでも何ら遅くないと思っている。」
「はい。」

抱き合う。


「それから学校にも内緒で付き合い始めました。」

遥紀は、

「過去を知るのは挑戦ですね。茉衣の前の男性関係のことを聞くのは恐くて出来ませんでした。結婚した今聞くと、何もなくて、好きになったのも、付き合ったのも一人しかいないと言っていました。」
「茉衣さんはそんな人ですよ。遥紀君にぞっこんでしたから、娘さんをを身篭っても何も求めなかった。」
「…求めて欲しかった。確かに気付かない、気遣わなかった私にも多大な非がありました。でも茉衣一人のカラダではないし、私は茉莉の父親です。茉衣と関係を持っていた。…会いに来て欲しかった。」
「そうしたらどうしていました？」
「責任を取りたかった。本当に誰にでも言っていますけど茉莉はかわいい。」
「そうしたら今の人生と違うはずだ。」
「それでもよかった。茉衣の人生を狂わせたのは私です。茉衣の事を考えたら人生が変わるなどいとわない。」
「…私も多恵子を孕ませましたから…。」


結ばれたその日から政治と多恵子は秘密の関係になる。

「おはようございます、末松先生。」
「おはようございます、紀平先生。今日はにこにこしてますね。何かありました？」
「何も無いです。起きたら力がみなぎってきまして。」
「それならよかった。今日が一番輝いている気がします。」
「もしかして、ナンパですか？」
「まさか、今は同僚に手をかけるつもりはありませんよ。」


多恵子は休み時間、生徒から、

「先生今日はきれいですね。もしかして彼氏？」

聞かれる。

「さあね。」
「そうなんだ〜。誰誰誰？」
「普通の人よ。」
「エッチしたんだぁ。」
「…あのねぇ。」
「だって肌キレイだも