BITTER LOVE





プルルル…




静まり返った部屋に携帯の音が響いてる




ぼやけて見える床には血がたくさんついていて、かろうじて手の届く所に携帯が見えた




力を振り絞って通話ボタンを押す…




" …おい "




大好きな声




" お前学校来てないだろ "




「……せ…ん…せい…」




助けて下さい…




必死にそう願った




" おい、どうした? …家か? "




「……は…い…」




" すぐ帰る "




そう聞こえて




「………はら!!………谷原!!」




しばらくしてさっきよりも近くでそう聞こえた






「すぐ救急車来るから…」




先生がぼやけて見える




「……先生…」




「喋らなくていい」




「先生……」




急に体が温かくなって




先生が床に倒れこむように私を抱きしめてくれてる…?




「ごめん」




こんな声初めて聞いた




少し苦しそう…




なんで謝るの…




いつだって先生だけが私の苦しみに気づいてくれて




こんなにも助けられてるのに