お昼休みいつも通り先輩と空き教室に向かう。
お弁当を開くと相変わらず綺麗におかずが詰められていて
それを食べるたびに昨日の出来事が頭を過ぎって悲しくなった
「食欲ない?」
「え?」
「全然食べてないから」
「あ…いやぼーっとしてました…」
「なんかあった?」
「何もないです…」
「ふーんいらないなら食べちゃお」
そう言って先輩がお弁当のおかずを一つ取って食べた
「いらなくないです…!」
「はは、やっぱファザコン」
「な…」
すぐムキになって
私ってやっぱり子供だな…
先生の彼女はきっとすごく大人で余裕たっぷりで…
そんなことを考えただけでまた悲しくなってきた
もう決まり事みたいに、ご飯を食べ終わると先輩は私の膝の上に頭を置いて眠りにつく
先輩が寝ている間ぼーっと窓から外を眺めていると
向かいの校舎の廊下に先生が見えた
制服を着た女の子が駆け寄ってきて何か話してる
しばらくして先生の手がその女の子の頭に乗った
あ…
優しくしてくれたり助けてくれる理由は私が生徒だから
そんなのずっと分かってたはずなのに
誰にでも平等に向けられてる優しさが自分にだけ向いてるって
いつの間にか勘違いしそうになってた
白衣と制服…
大人と子供…
傍から見たらこんなに不釣り合いだってすぐに気づけるのに
