「「キャーーーー」」
午前にも増して歓声が上がる先輩の試合
外で他の種目もやってるのにほとんどの女の子達がここに集まってるんじゃないかってくらいの盛り上がり…
午前より先輩の動き素早くなってる気がするし
八本…
九本…
もうあと一本で宣言通り十本…
「城ノ内先輩すごいね?」
奈緒がニヤニヤしながらそう言ってくる
「うん…」
「なんか青春っ!!」
青春か…
そんな言葉を聞いて視線を向けてしまうのは
女の子達の声援を独占してる先輩じゃなくて
体育祭なんて興味なさそうにぼーっと試合を眺めてる先生…
私の試合の時もあそこに居るのかな
見られたくないな…
なんて思っていると
「杏ちゃん」
そんな声が体育館に響いて
意識が一気にその声のほうに向いた
シュッ
「「キャーーー」」
あ…
十本目…
嬉しそうに笑いながら先輩がこっちに向かって手を振ってる
「城ノ内先輩杏に手振ってるよ!
今のシュートすごーい!!」
「う…うん」
どう反応したらいいか分からなくてできる限り微笑んでみたけど
顔引きつってないかなって心配になる