「ちゃんと見てたー?」




試合を終えた先輩がニコニコしながらそう言ってきた




「すごい上手でした!
私は下手だから羨ましいです…」




「杏ちゃん頑張ってるのすげー伝わってくるよ?」




その言葉に少しだけ気持ちが軽くなった気がした




「よし!飯食い行こー」




午前の部が終わって勝ち残ったチームの試合はお昼を挟んだ後




体育祭で校舎が閉まってるから今日はみんな校舎外でお昼を食べてる




「体育館暑苦しいから中庭行こっか」




中庭にも結構人が居て、先輩と居るだけでやっぱり女の子達の視線を集めてしまう…




「今日も美味しそうだね〜お弁当」




「ですね!」




毎日作ってくれてるのに手抜き感全然しないしおかずもほとんど被ってない…




「美味しいーー…」




「相変わらずいい顔」




「もう…こっち見ないでください」




あまりにじっと見られるから恥ずかしくなる




「杏ちゃん」




「…?」




「午後の試合でシュート十本決めたらご褒美ちょーだい」




「ご褒美?」




「だめ?」




「ご褒美って…」




それに十本なんて…




一応午後の相手のほうが強いだろうし
さすがに一人で十本は無理だよね




「とりあえずおっけーってこと?」




「おっけーなんて言ってないです…」




「じゃあだめ?」




「べつにだめってわけじゃないですけど…」




「よし決まり!頑張ろーっと」




相変わらず突然で強引…