廊下を先輩と二人で歩いていると、見慣れた人が少し前から歩いてくるのが見えた
「あ…」
思わず声が…
「ん?」
先輩が不思議そうにこっちを見てる
私達を見たら先生はどう思うかな
仲のいい友達?
それとも女の子達みたいに付き合ってるって誤解するのかな
そんなことを考えていたけど
視線は一方的で
全く気にも止めない様子で先生と交わることはない
「椿様じゃん」
先輩がそう言う
椿様って
何回聞いても慣れないな…
「もしかしてタイプ?」
「え!?」
「え?」
「そんなわけないじゃないですか先生だし…」
「のわりに動揺してるけど」
「先輩が変なこと言うからです…」
「ふーん」
「なんですか…」
「すげー人気って聞いてたけど、杏ちゃんが気にする程なんてびっくり」
「べつに気になんてしてないです!」
「図書館で会うまで俺のことは全く知らなかったくせに〜」
「それは…」
「はは、冗談
保健室なんて誰でも行くし知ってるよな、帰ろ〜」
「はい…」
