「このことは忘れてください…帰ります」




私が我慢すれば嘘でもみんな笑ってられる




「随分身勝手だな」




「身勝手…」




「勝手に抱え込んで勝手に傷ついて手遅れになったら周りの奴はどんな気持ちになると思う?」




そう言う先生が一瞬だけ悲しそうに見えた




「今のお前は周りからしたらただの迷惑な奴だよ」




迷惑な奴…




その言葉が頭の中で繰り返して何度も心に刺さる




今までずっと頑張ってきたつもりだった




必死で耐えてきた




張り詰めた糸が切れたみたいに頬に温かい物が流れて止まらなくなった…




お母さんと話せなくなったあの日から、気づけば一度も泣けなかったっけ




お母さんを守れるのは私しか居ない




悲しいとか辛いとか思っちゃいけない




そう思ってたのに…