いつも通り教室のドアを開けると一瞬音がなくなった




痛々しい程に女の子達の視線が私に向く…




「杏ー!!」




奈緒に根掘り葉掘り聞かれて兄に頼まれた事と昨日の図書館での出来事を話すと




「杏の可愛さにあの城ノ内先輩もやられちゃったか〜」




なんて意味の分からないことを言われたけど、何も変わってなくてよかった




お昼休みになって二人でお弁当を食べようとしていると…




「谷原さん、呼ばれてるよ」




クラスの子からそう言われて廊下を見た




派手な女の子達がこっちを睨んでる…




「ちょっと…なにあれやばくない?
行かないほうがいいよ」




奈緒にそう言われたけど、このまま放っておいたら教室の中まで入ってきそうな勢いで…




「ちゃんと事情説明すれば分かってくれるよ…すぐ戻るから待ってて」




奈緒を説得してその女の子達の元へ向かった




きっと原因は城ノ内先輩のことだろう




ちゃんと誤解を解けば…




ドンッ




痛…




「調子乗ってんなよ!!!」




やっぱり来なきゃよかった…




弁解の余地なんてない




靴の色からして三年生だろう




言葉を発することさえ許されないまま女子トイレのドアに思い切り突き飛ばされた