「またね杏ちゃん!」




そう言いながら笑顔で帰っていく




兄と二人きりの帰り道




当然のように会話は無い




玄関を開けて私の部屋に着くと今日もまたそれが始まる…




いつもより強くいつもより長く




兄の怒りが私にぶつかる




今日は殴り終わった後もまだ満足してない様子で




「絶対許さない」




部屋を出る前にそう呟いていた




聞きたくなかったとどれ程思ったか…




きっと何か起きる




根拠なんてないけどそう確信できた