「ねぇ、仁」
「ん?」
目を閉じたままの奈央に仁が返事をする。
「返事、今してもいい?」
「・・・」
「・・・私でよければお願いします・・・」
奈央がゆっくりと目を開ける。
仁の穏やかな表情が珍しく驚きに染まっていく。

「え?」
「結婚の話。」
「いいのか?」
「・・・私、毎週月曜日がどんどん楽しみなってた。カレンダー見ながら曜日を数えて・・・」
奈央が恥ずかしそうに話す。
「まだ、絃は私にとってすごく大きい存在なの。でも、純粋に仁のそばにいたい。いさせてほしいの。それでもよければ。こんな私でもよければ」
驚いた表情の仁はすぐに満面の笑みにかわった。
そしてベッドに横になる奈央の体をそっと抱きしめる。
「いいに決まってんだろ。絶対に幸せにする。絶対に離れない。」
仁の言葉に奈央は目を閉じる。