「優、何時に寝たっけ?」
「2時。あと一時間は起きないな。」
「そうだね。」
他愛もない会話をしながらも、奈央に元気がない。
「奈央、ほら。」
ハンバーグをこねている奈央の口に仁がチョコをいれた。
「おいひい」
奈央に笑顔が戻る。

「俺がギターでも弾ければいいんだけどな。」
「ん?」
「奈央がステージに一人にならないように。」
「・・・」
さりげなく仁が出してくる、奈央の選択を知っているからこその言葉に奈央は思わず微笑んだ。

奈央が歌おうと決意を固めている最中だということを仁は知っている。

「見ていてくれる?」
「もちろん」