「ごめん」
「いいって。」
そいう言うと仁はまだ悩んでいる奈央をその場に残して夕飯の支度を始めた。

休日は子育てで忙しい奈央に代わって食事を作ってくれることの多い仁。
最近では優の離乳食に使えるようにと野菜を刻んだり、だしを取り冷凍にしたりと、手伝いの範囲を超えてサポートをしてくれていた。

「ありがとう」
遅れて奈央がキッチンへ来ると仁は奈央の入るスペースを開けた。

「今夜はハンバーグな」
「了解」
奈央は仁が用意していた食材に手を加えて手伝い始める。

言葉にしなくても二人で一つの作業をできるようになったのは夫婦としての時間が増えたからだけじゃない。お互いの呼吸が分かるようになってきている。