愛さずにはいられない

その日の夜。
結局奈央は仁の作った夕食もほとんど食べられないまま布団に入っていた。
仁が奈央に腕まくらしながら天井を見ている。
「なぁ、奈央」
「ん?」
「リハビリ・・・なんだけどさ・・・」
「うん・・・」
奈央は何となく仁が言おうとしていることが分かっていた。
「俺は今はやめてほしい。正直。」
「・・・うん。」
「でも辞めないでほしい。」
「え?」
奈央は思っていた仁の言葉と違って仁の顔を見た。
「体の負担を考えたら無理しないでほしいけど、奈央の今までの頑張りを見てるとさ、ストップをかけたくない。」
「・・・仁・・・」
奈央も自分自身の初めての妊娠に体の負担を考えると辞めるしかないかと思っていた。
でも辞めたくない、進みたいという気持ちもある。
その気持ちの間で揺れ動いていた。