愛さずにはいられない

「何もなければ次回は2週間後です。母子手帳を持ってきてくださいね。」
「はい。」
理恵に見送られて奈央と仁は部屋を出た。
すかさず仁が奈央の背中に手をまわし支える。

奈央はくすぐったいほどにしあわせを感じていた。

「大切にしような。」
「うん」
「気を付けないとな」
「うん」
「気持ち悪いか?」
「うん」
「何食べたい?」
「・・・」
「何食べたい?」
「・・・」
そんなやり取りをしながら二人は会計をしようと窓口の番号札を取って並んでいた。