愛さずにはいられない

理恵は詳しくこれからのことを説明してくれた。
手続きに関してはメモを書いて渡してくれる丁寧さだ。

「こんなにうれしい日に、ながながと説明してごめんなさいね。最後に、今奥さんはつわりが始まっていると思うのでご主人に。」
そういうと理恵は仁の方を見た。仁ももう一度背筋を伸ばす。
「奥さんがつわりでつらい時は家事を変わってあげたり、食べられるものを作ってあげたり買ってあげたりしてくださいね。つわりの期間は栄養については考えなくていいです。食べられるものを食べられるときに食べられるだけ食べさせてあげてください。でも、貧血や脱水がひどい時。例えば吐いてばかりで水分もとれないときなどは遠慮なく受診してください。ご主人のサポートが重要ですよ。」
「はい。それ以外には何かありますか?できること。」
「お姫様のように優しくしてあげてください。ただ、妊娠中期から後期のつわりが終わった時期には少し厳しさも持ってくださいね、体重が増えやすいですから。初期はお姫様です。」
「はい。」
理恵が微笑むと奈央と仁はやっと笑顔になった。
じわじわと実感がわいてきたのだ。