愛さずにはいられない

感動と興奮が冷めないままもう一度奈央が診察室に入るとそこには同じような表情の仁がいた。
奈央を見つめる目は喜びと感動に包まれている。
「おめでとうございます。これがさっきのエコー写真と、このUSBはさっきの心拍の音も入っていますから、記念にどうぞ。うちの病院で出産されるときは出産の予約をしていただいて、診察の診察の時には毎回このUSBを持ってきてくださいね。」
「はい。」
「もう、心拍も確認できていますから妊娠証明書をお出しします。役所へ行って母子手帳を交付してもらってください。そうすると診察の補助券ももらえますから。」
「・・・はい。」
「隣で看護師から説明は詳しくうけてくださいね。」
「はい。」
二人は上の空で返事をしながら診察室からでた。

「桐ケ谷さん、こちらの部屋にどうぞ。」
理恵に呼ばれて仁と奈央は隣の部屋に入った。
「今日一日でお二人の人生が大きく変わりましたね。おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
「これからの診察の流れやさっきの先生の言っていた手続きの流れを説明しますね。」