愛さずにはいられない

はじめはピンと来ていなかった仁。でもすぐにピンと来て。
「あっ!!もしかして?!」
「もしかするかも・・・」
「なおさら急がなくちゃ。建設現場なんて言ってる場合じゃなかっただろ。危なかった~」
仁は独り言のようにぶつぶつと言いながら車を走らせた。

「やばい…手が震える。」
そんな仁の姿を奈央は初めて見た。

気持ちが悪くてくらくらする頭で、奈央は仁のそんな姿を見逃すまいと見つめていた。



やがて仁の運転する車が総合病院の駐車場に停まる。
そこは前に奈央の父がけがをして運び込まれた総合病院だった。

仁は奈央の体を支えながら受付に向かう。