愛さずにはいられない

何度かその動作を繰り返したとき、奈央は突然吐き気に襲われて床に座り込んだ。

貧血・・・？

奈央も慌てて鏡を見るとその中の自分の顔色があまりにも悪いことに気が付く。

奈央はひとまず立ち上がれそうになく、仁に連絡をした。

携帯電話の呼び出し音が鳴る前に仁が電話に出る。
きっと心配して携帯電話を手にしていたのだと奈央はすぐにわかった。

『どうした？』
いつもよりもはやい奈央からの着信に仁も何かを察しているようだった。
「なんか体調悪いかも。気持ち悪くて。貧血かな・・・」
『迎えに行っていいか？』
「お願い。ちょっと立てないかも。」
『了解。すぐ行く。』
仁は電話を切ると走って奈央のもとへ向かった。