愛さずにはいられない

マイクを両手で握りふと後ろを振り向く。

そこは絃がいつもギターを弾いていた場所。

奈央はそこを見ながらいつも歌っていた。

学園祭の日もそう。


いつも奈央が振り向くとそこで絃が”大丈夫”と目で訴えてくる。

そんな絃の姿を思い出しながら奈央は瞳を閉じた。


大きく深呼吸をして歌いだそうとする。