「また・・・ギター始めようかな・・・」
「いいんじゃないか？」
「うん・・・」
奈央は絃が亡くなってからギターに触れてはいない。
奈央が前を向き始めていることを知りながら、過去にもう一度引っ張られてしまうのではないかという不安が仁を襲う。
「おしまい。寝ていいぞ。」
仁がメイクを落とし終えると奈央は少し目を開けて仁の体に抱き着いた。
「仁は寝ないの？」
「寝るよ。」
「一緒に寝る・・・」
「了解。」
仁はそういうとそのまま奈央を抱きしめてベッドに横になった。
「奈央・・・愛してるよ・・・」
不安になる気持ちの分、奈央への想いを言葉にする。
こんな言葉で奈央の気持ちをつなぎとめられるだろうか・・・

すると奈央は仁の胸に自分の顔をうずめながら
「私も・・・仁・・・愛してる・・・」と返す。