愛さずにはいられない

結局あまり量を食べることができなかった奈央。
仁がほとんど食べることになった。
それでも、デザートは食べたそうな奈央に仁は食事を食べきる役になり、奈央のデザートを注文した。
なんだっていい。奈央が食べ物を口にしてくれることで安心できる。
「そろそろ行かなきゃ。」
「あぁ。」
二人は食事を済ませると仁の車でスタジオに向かった。

必要なものを用意する仁よりも先に奈央はスタジオに入った。
「倉科さん」
奈央はすぐに大悟の姿を見つけて近くへ向かった。
「結婚式ではお世話になりました。」
「いいえ。いい式でした。俺たちも懐かしい気持ちになって楽しかったです。改めておめでとうございます。」
「ありがとうございます。今日もよろしくお願いします。」
「こちらこそ。」
お互いに頭を下げると「大悟持ってきたわよ。」とスタジオの入り口から莉子が近づいてきた。
「おう。サンキュ。」
大悟が莉子の方へ手を伸ばす。