「特別だね」
「もちろん。」
そう言いながら仁はまるで魔法をかけていくように奈央の髪をカットし新作のヘアスプレーでセットしていった。

「どう?」
すべてのメニューが終わると仁は美容室のなかにある応接室に奈央を通した。
「うん。無香料って言っても少し香りはあるんだね。」
「あぁ。気になる?」
「うんん。このくらいなら気にならない。それに使いやすいね。」
「そうか?」
奈央は仁のためにと思うことを次々に言っていく。
「でも素人にはワックスの方が使いやすいって思っちゃうかも。何か動画で使い方の解説とかつけれたらいいのにね。」
「それ、いいな。」
仁はさっそくメモを取っていく。

そんな二人の会話はしばらく続いた。