住んでいるマンションについてから、仁は少しの間駐車場に車を停めて奈央を起こさずにいた。
身動きせず目を閉じている奈央。体調が悪そうなことはすぐにわかった。
これは旅行の疲れではないと仁はわかっている。

「ごめん・・・ぐっすり眠っちゃった。」
奈央が目を覚ますと仁が心配そうに自分を見つめていた。
「平気か?」
「うん・・・」
仁は先に運転席から降りて助手席に回る。
助手席のドアを開けて奈央が降りるとすぐに腰に手をまわして支えた。
「・・・」
奈央は何も話さずに仁に体をもたれたままマンションの自分たち部屋へ向かった。
部屋に入るとすぐに奈央は
「ごめん・・・もう少し横になってもいい?」
と寝室へ向かった。

「着替えたほうがいい。」
仁はすぐに奈央の部屋着を出して奈央の着替えを手伝う。