愛さずにはいられない

観光ガイドで見ていたものを実際に見ることに奈央の喜びも大きく、そんな奈央を見つめながら仁も幸せな時間をかみしめている。

この時間がずっと続けばいいと二人は思った。

「これなんて素敵じゃない?」
「いいな。これ、一本の木からできてるんだって。」
二人は新居に置く家具も見て回った。

やはり二人の趣味はあう。

未来への期待が膨らむ時間もたくさんあった。

「仁て英語できたんだね?」
「片言だろ?」
「そんなことないよ。聞き取れるし、話せるし、読めるし。私なんて全然。」
ふと奈央は昔、絃が作詞をするときに仁に英語にしたい歌詞を訳してもらっていたことを思い出した。
「昔から仁は英語が上手だったよね。」