愛さずにはいられない

「すご～い！！見て！仁！！エッフェル塔が見える！！」
「本当だ。」
最初に宿泊するホテルについて奈央は無邪気にはしゃいでいた。
「すごい高そうな部屋。」
「こんな時は思いっきり贅沢しないとな。今日までがんばったし。」
「・・・そっか。」
「あぁ。」
かなりグレードの高いホテルの部屋。でもその分、窓から見える景色一つでもかなり満喫できる。
「ありがとう」
最高の笑顔の奈央に仁は思わず奈央を後ろから抱きしめた。
「いいえ。どういたしまして。」
奈央の体をまるごと包み込むようにうしろから抱きしめる仁。
奈央も体を仁に寄りかからせる。

こんな未来を誰が想像しただろう・・・。
少なくともあの頃の自分は想像していなかった・・・。
そんなことを非現実的な景色を見ながら二人は思っていた。