私がクラスのドアを通った瞬間、大量の教科書が飛んできた。

私、源さつきのクラスは4階、1年6組はみんなとても仲がいいだろう。

………………私以外は…

いったい何冊飛んでくるんだと思いながら、私は身を屈めて忙しなく迫ってくる痛みに耐えるしかない。ときおり激痛が走り悲鳴を上げてしまいたくなるが、私は口を強く紡ぐ。

ここで根を上げてしまえばコイツらの思う壺、ただコイツらを喜ばせてしまうだけ、そんなの絶対に嫌だ。

しばらくして単発にやってくる痛みは無くなり、全身がジンジンする。


みんなが去り際に教科書を拾いながら
「今日はこのくらいにしてやるよ」
「いや〜今日も朝からいい運動になったわー」
と口々に言って自分たちの席に着いていった。


ほら、本当にこのクラスのみんなは仲がいい。
だって私を痛めつけたいがためにクラス一致団結して自分のものを粗末に扱い、大事な物も投げている。

私は手元に落ちている絵画専用の筆を手に取った。

こんな大事な物……私なら絶対に投げない。


私が筆を見つめていると