「だから、花霞さんにいろいろ教えて欲しいなって思ったんです。もちろん、自分でも勉強はしますけど………花霞さんが俺に教えてくれたから」
 

 蛍は花霞の方をまっすぐと見つめてそう言った。
 花霞は蛍の気持ちが嬉しかったし、自分の作ったブーケがきっかけで花を好きになってくれた人がいるのだとわかり、心の中がじんわりと温かくなった。
 自分のやって来た事が認められて、好きじゃなかった人の心を動かせた。それを知り、感動してしまった。


 「…………花霞さんが忙しくない時でいいです!もちろん、お金も払います。」
 「…………蛍くん。あのね、さっき言ってたけど、男だから花が好きなのは変っていうのは、ないと思うよ。花を好きなるのは男女関係ないと思う。………それとね、蛍くんが花を好きになってもらえたの、すごく嬉しい。私のブーケでそんな風に思ってもらえたなんて、驚いたけど………でも、蛍くんの気持ちが嬉しかったよ。ありがとう」
 「花霞さん………」
 「お勉強はぜひお手伝いはしたいなって思う………けど、時間もなかなか取れないかもしれないし、蛍くんのお仕事もあると思うし………予定が合えばいいよ」
 「本当ですか!?」
 

 花霞はせっかく花が好きになった彼のお手伝いが出来るならと、彼の願いを叶えたいと思った。けれど、お互いに仕事をしているし、花霞は結婚もしている。一人では決められないな、と思いつつも、やりたい気持ちはあると伝えると蛍はとても喜んでくれた。