「ほら、そろそろ休まないと疲れて倒れるぞ」
 「えー………もっと泳ぎたいな」
 「はしゃぎすぎだ。それに、いつまでも俺を1人にしてるといじけるぞ」
 「ふふふ。それは困るわ」


 花霞は微笑んだ。
 椋は花霞に大きなタオルを被せて、近くのシャワー室まで共に向かった。

 その後は海沿いにある宿泊しているホテルに向かった。せっかくの新婚旅行なので、泊まる部屋を豪華にすると花霞はとても喜んでくれたのでよかったと思っていた。
 部屋からは先ほど泳いでいた海が一望出来る。それが花霞には嬉しかったようだ。


 「んー………やっぱり泳ぎすぎちゃったかな。眠くなってきちゃった」


 部屋に戻ると、花霞はすぐにベットに横になった。
 そんな自由気ままな花霞は普段は見られない姿だった。新婚旅行がとても嬉しかったようで初日からずっとはしゃいでいるのだ。
 そんな愛しい妻の姿を見れただけでも、この旅行に来てよかったと思っている。


 「ダメだよ、花霞ちゃん。俺はさっき拗ねてるって言っただろ?」
 

 花霞が寝ている所に、椋は覆い被さるように花霞を閉じ込めて、そのままキスを落とした。
 花霞はそれだけで、うっとりと目を蕩けさせる。


 「まだ昼間だよ……椋さん………」
 「新婚旅行なんだ。いつでも君を求めていいはずだろ?」
 「そうなの………?」
 「………花霞ちゃんは、嫌?」
 「………嫌じゃない……」



 花霞の了解が出たので、椋は花霞の頭を押さえて深いキスを落とした。まだ少し濡れている髪が冷たい。


 「花霞ちゃんの水着姿、本当に可愛くて何回も連れ去りたくなってたんだよ?」
 「………私も、椋さんの水着というか、その………かっこいい体見て、ドキドキしてた」
 「本当に……?」
 「うん………」