青磁はよく藍のうちに遊びに来て、藍とたくさん遊んでくれた。いろんな場所へ一緒に行った。

夏祭りに行ったり、散歩に出かけたり、焼き芋を作ったりもした。

青磁は藍にとても優しく、藍はいつのまにか青磁のことが好きになっていた。

しかし、青磁は東京の医大に進学することになり、簡単には会えなくなった。青磁が帰ってくるたびに、藍は「ちゃんと約束守るから」と青磁に繰り返した。そのたびに、「いつでも待ってる」と青磁は頭を撫でてくれたのだ。

藍は一生懸命勉強し、高校一年生になった。卒業後の進路はもう決めていた。青磁と同じ医大に行こうと思っていた。

しかし、学校側からある日青磁の家に電話がかかってきた。それは、青磁が学校に来なくなり、友達が青磁が住んでいるアパートに行ってもいなかったとのこと。青磁は東京で行方不明になってしまったのだ。

突然のことに藍は戸惑い、体を震わせた。青磁に何があったのか知りたい。青磁がどこに行ったのか知りたい。そんな思いで勉強を続け、医大に行き、青磁と約束した監察医になったのだ。