‐あの日以来、わたしは男性が怖くなった…。
それは蒼生(あお)や壬生(みぶ)に対しても。

常にビクビクしているから、壬生や蒼生は徐々に離れていった…。
だけど、あの日の事は言えないでいた…。
あの日までは…。


‐「…うっ」

ある日、急に気持ちが悪くなって、吐いた。
そういえば、昨日も…。

真莉愛(まりあ)さんに事情を説明し、病院に連れてってもらう。

「妊娠してますね」

医師に言われた時も、驚きはしなかった。

「もし、中絶手術を希望するなら早めに同意書を持って来て下さいね」

廊下に出て、真莉愛さんと話をする。

「桃華ちゃん、どうするの？」

「誰が父親かわからないのに、出産なんて出来ないよ」

思わず、わたしは泣いてしまう…。