「あ、梨瑚さん!」


「うん?」


「今日、翔平さん帰ってくるみたいですよ」






…あ。


生きててくれた。


生きて、帰ってきてくれる。


言葉にできない気持ちが溢れる。


自分でも口元が緩むのがわかった。


まだ授業始まってないけど、早く帰りたい。


早く、あの腕に強く抱きしめてほしい。


顔が見たい。






「ありがとう…!」


「いえ、お気をつけて」





足取り軽く校舎に続く道を歩く。


お迎え来てくれるのかなー。


嬉しくて、嬉しくて、嬉しすぎて。


…早く逢いたい。