目の前がグラッと歪む。
「お嬢!」
「しょーへいちゃ…ん」
上手く言葉が喋れない。
頭がクラクラする。
「お嬢ちゃん大丈夫かい!?ほら、水!」
「すみません、ありがとうございます」
翔平ちゃんがおじさんから水の入ったペットボトルを受け取り蓋を開ける。
「お嬢、飲めますか?」
「へー?…うーん」
翔平ちゃんにペットボトルを支えてもらいながら、水をいっぱい飲む。
体がふわふわして落ち着かない。
「ここじゃ、ゆっくり休めませんね」
そう言って、わたしをお姫様抱っこする。
こんな人の多いところで恥ずかしいからやめて。
言いたいのに。
お酒のパワー?
…嬉しいだなんて思ってしまう。
翔平ちゃんの顔が近い。
…かっこいいなー…。
翔平ちゃんに体を預けて、目を閉じる。
意識が…プツリと切れた。


