翔平ちゃんがお金を渡し、おじさんが奥で飲み物を作り始める。
私の頭の中ではずっと女の人達の声がグルグル回っている。
どうしたら大人っぽくなれるかな。
どうしたら…翔平ちゃんの隣に並んで歩けるような、大人の女性になれるかな…。
「へいお待ち!」
「ありがとうございます」
「お兄さんかっこいいねー、2人は兄妹かなんかかい?」
あー…やっぱり。
やっぱり、翔平ちゃんとわたしはそう見えてるんだ。
「いえ、恋人ですよ」
翔平ちゃんの言葉にはっとする。
わたしの悩みを一気に吹き飛ばす。
胸がいっぱいいっぱいで、泣きそうになる。
泣きそうになってるのを見られたくなくて、翔平ちゃんが手に持っていた飲み物を奪い取って、ゴクゴク飲む。
「あ…!お嬢そっちは…!!」
カルピスの味が口に広がる。
その後に…不思議な味がして…。


