じーっと翔平ちゃんを見つめる。
あの頃と…小さい頃から変わらない想い。
翔平ちゃんが…。
「…好き」
お父さんや、組員の人たちがいる前で声に出して言った。
しーーんと静まり返る食卓。
そしてみんなが翔平ちゃんを見る。
でも、返事は。
「ありがとうございます」
微笑んでそう言う。
いつもそれだけ。
「えー!!またそれ!?なんかほら!他に!俺も好きだよーとか!?」
「こら、梨瑚。黙って食わんか」
お父さんが、ご飯をおはしでつまんで、口に入れる前にわたしに言う。
だって。
翔平ちゃんにも好きになって欲しくて。
わたしが翔平ちゃんに好き好き言うのは、毎日のこと。
その度に、返事を期待してみるけれど。
さっきの通り、毎回同じ回答。
肯定も否定もしない。
でもいつかは…!!
希望を抱きつつ、残っているご飯を食べる。


