でも好きな人に言われる好きは。

心臓に悪すぎる。



翔平ちゃんがプールに入って、わたしの方に歩いてくる。


浮き輪に乗ってぷかぷか浮かぶ、わたしに微笑みをかける。






「…明日で最後ですね」


「うん、そうだね」






明日でここで過ごすのは最後。


明後日の朝には家に帰る。


そう思ったら。


なんか寂しいような。


でも、翔平ちゃんと2人はちょっと恥ずかしいし。






「明日の夜、夏祭りに行きませんか」


「夏祭り?」


「はい、近くの商店街であるんですよ」


「翔平ちゃんと?」


「いやですか?」






嫌じゃない。


全然嫌じゃない。


むしろ、行きたい。


…うん、行こう。


そして、翔平ちゃんに負けないような余裕を見せて&照れさせてやろう!!






「行く」


「では、浴衣も着ていきましょうね」


「翔平ちゃんもだよ」


「俺も…ですか?」


「わたしと一緒に行く条件」


「はい、分かりました」






見てろよ、翔平ちゃん!


絶対、絶対、照れさせてやる!