翔平ちゃんが男の人だってことは知ってる。
当たり前だけど。
だけどこんな…こんなことって。
わたしは恥ずかしくなって鼻の下まで水に潜る。
翔平ちゃんの格好もだけど、自分の子も水着姿もちょっと恥ずかしい…。
「髪の毛、結びましょうか」
「………いい」
「邪魔になりますよ」
「………ならない」
「おいで」
プールサイドに座って足をプールに入れながら、私に手を伸ばす。
ああ…。
翔平ちゃんがかっこよすぎて困る。
自分よりもずっと年上だから、余計に大人の余裕と色気を感じる。
わたしは今の体制のまま、翔平ちゃんの前まで行く。
近くで見るとよりやばい。
「そのままだと結べません」
「…いやだ」
「隠さないで見せてください」
「恥ずかしい…」
「だめです。ここに座ってください」
翔平ちゃんは自分のすぐ隣をポンポンと叩く。


