翔平ちゃんに連れられて、無事、別荘に戻ってこれたわたしは。
「…梨瑚」
「…っ」
「全部教えてって、意味わかってるの?」
翔平ちゃんの部屋に招かれて、密着中です。
な、なんか想像してたのと違う…!!
全然違う!!
「梨瑚、こっち向いて」
「やだ…」
敬語じゃない時の翔平ちゃんは、意地悪翔平ちゃんスイッチが入った合図。
…これが入ったら止められない。
さっき学びました。
頭から、首筋へと指先でなぞり顎を掴まれる。
「教えて欲しいんじゃないの?」
「……教えてほしい…」
「じゃあ、こっち向いて」
逸らしていた視線を翔平ちゃんへ向ける。
わたしを探していた時に、汗をかいたのか。
私の手を引いて、森の中から帰る途中に汗をかいたのか。
いずれにしろ、額からきらきら流れるそれは、翔平ちゃんの色気を増していた。


