翔平ちゃんの願いに、わたしはゆっくり頷いた。
そのあと、2人で翔平ちゃんのお父さんとお母さんに手を合わせた。
…また、来ます。
心の中で伝えた。
「帰りましょうか」
わたしより先にお墓の前から立ち上がり、お花畑の間を歩いていく。
大きな背中。
その背中に、どれだけのプレッシャーがのしかかっているのか。
潰されそうになっていないかな。
わたしに、なにか出来ないかな。
……ねえ。
ねえ、翔平ちゃん。
「翔平ちゃん…!」
吹き込んできた風に黒髪を揺らしながら、少し離れたわたしを見る。
翔平ちゃん。
わたしに、
「翔平ちゃんの、こと、全部…教えて」


