そんなこんなで、月日は流れ。
「あー…今日も翔平ちゃんの朝ごはんが美味しい……」
大人数で囲む食卓。
テーブルの上には美味しい朝ごはんが並んでいる。
ご飯を作るのは翔平ちゃんの仕事。
この中で一番料理が美味しくて、その上、手際もいいからお父さんに命令されて毎日3食、バランスを考えて大量にご飯を作ってくれている。
「お嬢、今日の分のお弁当です」
「わーい!翔平ちゃんのお弁当ー!」
可愛いピンクのバンダナに包まれたお弁当をわたしに渡すエプロン姿の翔平ちゃん。
高校に進学して2ヶ月。
わたしのお弁当も作ってくれている。
「毎日ありがとう」
「いえ、とんでもございません」
わたしが小さい頃から変わらない、黒髪。
何か秘めているような大きな瞳に、スっと通った鼻筋、薄い唇。
はあ…今日もかっこいい…。


