アナタと、キスと、銃声と。


ふにゃっと足があらぬ方向に曲がる。






「きゃっ!?」






バランスを崩して倒れる寸前。


腰に回された腕によって、支えられた。


間一髪、転倒はまぬがれた。






「お怪我、ないですか?」






翔平ちゃんの顔が近い。


…近い。






「だ、大丈夫!」






すぐ翔平ちゃんから離れる。


体が熱い…。


ふと、翔平ちゃんの顔を見る。


…悲しそうな、苦しそうな、微笑みを浮かべていた。


なんでそんな顔してるの…。






「気をつけてください」






わたしから視線をはずして、廊下の奥へと歩いて行ってしまった。


少し駆け足で翔平ちゃんを追いかける。


その先には、またまた広いリビング。


奥にはキッチンがあり、翔平ちゃんがお茶を入れている。


3人掛けのソファーに座って、ボーッとお茶ができるのを待つ。


天井を見るとまた豪華なシャンデリアが照明の光でキラキラ眩しいくらい。