両手にわたしの荷物を持った翔平ちゃんが声をかけられて、私は歩き出した。


お父さんは2人でって言っていたけど。


わたしと翔平ちゃんの他に、100名ほど組員の人をお供につけた。


さすがにこんなに田舎に奇襲には来たりしないだろうけど念には念をとのことで。


…結局、お父さんの説得に勝てるわけもなく。


1週間、ここで翔平ちゃんと過ごす。


ガチャッと音を立てて鍵を開けて、翔平ちゃんが扉を開けてくれた。






「……わー、ひろーい!」


「お気に召しましたか?」


「うん!」






綺麗な白い壁に、ふかふかの絨毯。


玄関なのに天井からはシャンデリアが吊るされていた。






「あ、靴はそのままで」


「脱がなくていいんだ」


「お部屋にお着替えを用意してありますので、ご案内します」






持っていた荷物を、組長の人にわたし、こちらへという翔平ちゃんの背中を追いかける。