左手をベッドに手をつく。
ギシッと軋む音。
右手で布団をめくろうとするも、めくられまいとお嬢が力を入れる。
「お嬢?」
「やだ…!1人で寝れるから!」
拒否される。
でもそうやってされればされるほど。
いじめたくなる。
「お嬢、顔見せて」
「やだ!絶対やだ!」
「なんで」
「なんででも!…てか、敬語使わないとか翔平ちゃん生意気…っ」
どうしても布団をめくらせてくれないから、つい力任せに布団をめくる。
お嬢と目が合う。
耳まで顔が真っ赤で。
俺を睨む目すら、可愛いと思ってしまう。
両手で顔を隠すように覆う。
「隠さないで」
「やだ…」
「見せて」
「翔平ちゃん…変だよ…」
変、か。
自分でも思う。
お嬢の事になると、頭がおかしくなる。


