迷いなく、持っていた銃の引き金を引いた。


銃の弾は大輝のナイフを持っていた肩に命中し、お嬢から離れる。


地面に倒れる寸前で抱きかかえる。






「…お嬢!!」






呼んでみても返事はない。


大輝の笑う声が聞こえる。






「ごめん、その子連れてくる時に拒否ったらしくて耳元でぶっぱなしたみたいだわ…耳壊れてるかもな」






肩を押さえながら立ち上がり、俺の傍へと寄ろうとする大輝に今度は足をめがけて撃った。


呻き声をあげながら倒れる。


俺は組員に突入合図をおくった。


怒号が響き渡る。






「お嬢!起きてください!」






頬を撫でながら体を揺さぶる。


だけど、起きる気配がない。






「梨瑚!起きろ…!!」






復讐心しか持てなかった俺の心を救ってくれた。


この子がいないと俺は…。


生きていたってしょうがない。