「…頼んでいいんだな」


「はい」






組長が後悔する必要なんてない。


むしろ誇って欲しい。


俺を、拾ったことを。






「傷一つ付けず、組長の元にお返しします」






神崎組の生き残りだろうがなんだろうが、絶対に許さない。


守る。


絶対に、連れ戻す。






「車回せ」


「は!」


「家の防犯カメラの解析」


「始めております」


「透(トオル)に連絡して、居場所をつきとめろ」


「お任せを」


「必ず、お嬢を連れて帰る」


「「「「「「「は!!!!!」」」」」」」






何人かの部下にそう命令を下し、残りのものはお嬢の元へ、俺と向かう。


ジャケットに入れている、携帯が震える。






「はい」


『おーい、今度は何調べろって?』


「時間が無い」






電話の相手は、久保透(クボトオル)。


警察に務めている警察官。