電気が通らなくなって2日目。
もう耐えられない。
「別荘に連れてって」
「それはー…」
「みんな干からびて死ぬよりましでしょ」
「しかし、組長に動かないようにと」
「お父さんはこの状況知らないから、バレたら言い訳なんてできるし」
それでも首を縦に振らない。
…翔平ちゃんにも会えてないし。
ほんとに嫌だ。
首を伝う汗を拭いながらアイスを一口────。
「梨瑚さん、奇襲です」
「…え」
慌ただしく廊下を走ってきた、銀色の髪の毛の亮くん。
顔には苦い表情。
私が覚えてる限り、この家に奇襲が来たことなんてない。
しかも今はお父さん達がいない。
どうしたらいいのか、頭が混乱していると。
「ぐわああああ…!!」
すぐ側でうめき声が聞こえた方に顔を向ける。
…目の前には黒い物体。
銃口を向けられていた。