「梨瑚も俺の付けてくれる?」
「…つけ、る!」
嬉しすぎて、涙で言葉が詰まる。
箱から翔平ちゃんの指輪を取り出す。
同じように右手の薬指に入れる。
顔を上げると、微笑んでくれてる翔平ちゃんが愛しく思えた。
背伸びして、首に腕を回して抱きつく。
「梨瑚?」
「…っ…」
「一生俺と居て?」
声が、上手く出ない代わりに何度も頷いた。
「俺が死んでも、俺のものでいて」
「死ぬ…とか、言わないで…っ」
「うん」
「翔平、ちゃ…」
「梨瑚、好き」
「わたしも…!」
「……愛してる」
どちらからともなく、唇を重ねた。
甘くて、でも少し涙の味がした。


