笑う翔平ちゃんに、微笑み返す。
荷物は後ろのトランクに入れて、車を走らせる。
後は、無事にうちに帰るだけ。
…うちに、帰る。
今日だけって言ったけど。
やっぱりまたデートしたいな。
このまま、帰りたくない…。
「翔平ちゃん」
「ん?」
「わたし……」
「梨瑚、今度は俺に付き合ってくれる?」
「え?」
そこで気がついた。
車はうちとは違う方向へ向かっていること。
キラキラと輝く街並み。
みんな、寒さに身を寄せあって歩いている。
不意に、車が止まって翔平ちゃんが降りる。
私のほうの扉を開けて。
「おいで、梨瑚」
胸の高鳴りが止まない。
キュンキュンしすぎて…死んじゃうよ。
王子様のような翔平ちゃんに導かれて車を降り、イルミネーションの街を少し歩く。


