でも、任せるって言ったのは翔平ちゃんだし…。
隣を見ると、私をガン見していた。
いつもと違う場所、いつもと違う服装、2人きりというなんとも不思議な空間。
ドキッとしてしまう。
「つ、次行こ…!」
「梨瑚」
今日…初めて名前呼んでくれた。
振り返って翔平ちゃんを見る。
すらっと長くて細い手足、今日の服装もすっごく似合ってて…。
ドキドキしっぱなし。
「手、繋ごっか」
「…へ……」
「その方が、デートっぽいだろ。…嫌?」
「………嫌じゃない…」
差し出される手に、右手を重ねる。
翔平ちゃんの大きな手にすっぽり収まる私の手。


